ツーリングちょっと○○な出来事

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■ はじめてのツーリング

学生時代のその日、私は両親が旅行に出払ったのを確認してニヤリとしました。ある作戦を実行に移すためです。その名も、「親がいないスキにバイクでツーリング行っちゃうぞ計画」です。早速、KSR-I(原付バイク)にテントやらマットやら自炊道具なんかを積んでみました。おお、初めて見るKSRのツーリング姿! なかなかカッコイイではありませんか。心が浮き立ちます。

なぜ親に隠れてコソコソそんな事をしてたのかというと。。。泊りがけのツーリングを親に許可してもらえなかったからです。でも、一泊二日だけで良いからキャンプツーリングというものを体験してみたかったのでした。で、選ばれたのがその日です。パパ、ママ、行ってらっしゃい!私はおとなしくお留守番してるね!(山奥で :-p)

どこ行くかなんてあまり考えてませんでした。適当に地図を見て、今まで行ったことのある場所より、もっと遠い場所まで行こうと決めました。地図で、奥多摩よりもっと西側に「○之○高原」という場所を発見!シラカバも生えている高原だなんて、イイ響きです。ヨッシャ、ここに決定!行くぞ、オー!

青梅街道をひたすら走ります。うわー、緑がいっぱいだー。スゴイー。ただ、ちょっと気になるのがお天気。雲が多く、すごい勢いで空を流れていました。しかしそんな事は気にせず、夕方には目的地に到着!でも。。。。アレ?なんか想像してたのと違うぞ。。。まず、シラカバが見当たりません。道もすごく細くて、なんだか暗いです。人影もほとんどなくて、ムチャクチャ寂しい。そうこうしてるうちに、お約束のように道に迷いました。ここはドコ? 私はダレ?

もう夕方でした。あたりは人っ子ひとりなく、すごく暗いです。しかも、雲行きがどんどん怪しくなり、雨まで降ってきました。非常に焦ります。しかし自分の現在地がわからずがむしゃらに走っていたら、いつのまにか荒れた林道になっているではありませんか。大した根拠もなく「この林道を通れば、シラカバの高原に着くはず。。」などと思い、林道に挑戦しますが、ナント、最初の勾配でいきなり撃沈。KSR-Iが坂を登らないのです!どうも荒れた林道で荷物満載だと馬力が足りないようです。ピンチ!

そうこうしている内に日が沈んでしまい、真っ暗です。昼過ぎから誰にも会っていません。雨と風がいよいよ強くなってきました。「や、やばい。早くキャンプ地を決めないと死ぬ!」と思って計画変更。地図にも載ってなさそうな峠を走り、道のわきのちょっとした広場で、かなり焦ってテントを張りました。「ふぅ〜、もう大丈夫だ。。。」と、眠りにつこうとしたのですが、甘かった。

眠りにつこうとした途端、テントを吹き飛ばさんばかりの雨と風!!テントがバタバタいって眠れません。しかもすぐ近くでゴロゴロと雷鳴が轟いております。半径10キロ四方に助けてくれそうな人は絶対にいないと確信がもてるような場所でしたが、逃げるには遅すぎました。「ああ〜、私って一人ぼっちなんだ。こわいよぅ、カミナリで死んじゃうかも知れない。こんなトコ来るんじゃなかった〜。テント飛ばされたらどうしよう。何で山って誰もいないんだよぅ。寂しいよぅ、恐いよぅ。。。早く朝になってよ〜!!」

。。。これが初めてのキャンプツーリングの想い出です。我ながらかなり情けない精神状態で恐怖の一夜を過ごしたのでありました。

ところがどうした事か、翌朝はどピーカン!! 昨晩の嵐が嘘のように、青空が広がっています。単細胞なちびっこは、昨夜の死にそうな恐怖などケロっと忘れて近くの温泉に寄り、でかいモモを2つかじって、何食わぬ顔して自宅まで走って帰りました。そしてテレビを見て知ったのは。。。。「昨晩、中型で勢力の強い台風が関東地方を通過しました」ということでした。。。。

教訓:ツーリングに出る前に、天気予報をチェックしよう。


■ 青木ヶ原樹海で死体を発見

これはT橋君とY田君とちびっこの3人で富士山ツーリングに行ったときの出来事です。3人そろって、朝霧高原で爽やかキャンプツーリング!天気も良かったし、最高の週末になるハズ、。。。でした。。。。

富士山のふもとには広大な(自殺者の多さで有名な)青木ヶ原樹海が横たわっています。溶岩によって出来た凹凸の激しい地形は一歩入れば現在地を見失い、強い磁気のせいで方位磁石も役に立たないという、まさに恐るべき樹海です。ところがどういう訳か、この恐るべき樹海のど真ん中を、何事もなかったかのように県道71号線が貫いているのです。一体どんな道なんだろう。。。。

せっかく富士山まで来たんだから、青木ヶ原樹海を探検しなけりゃ損やんけ、と考えたアホな私は、県道71号線を走ることを強く主張しました。みんなもそれは面白そうだ、ということになって、いざ樹海へレッツゴー!! 行ってみると、本当に周りは溶岩でゴツゴツしており、鬱蒼と樹木が生い茂っていて、樹海気分は満点です。「この中に迷い込んだ人間は2度と出られないんだ。。」と思うと無性に探検したくなってきました。

樹海の中の適当な所でバイクを止めて休憩。「ねえねえ、せっかくだからちょっとだけ樹海の中を探検しようよ!」「おー、賛成!」。。。てなわけで、即席の探検隊の誕生。県道から外れて、一歩一歩樹海の中に入っていきます。どんなに薄暗いかと思ったら、結構明るく、樹海の自然は美しかったです。見ると3月だというのに、まだ雪が残っています。「樹海って意外とキレイな所だったんだね。面白いね」などと言いつつ奥へ奥へ。さすが青樹ヶ原だけあって、200メートルも行くと、もう車道は溶岩と樹木に隠れて見えなくなってしまいました。でもクルマの音がひっきりなしに聞こえるので、まだ迷う心配はありません。ナンダこんな所、楽勝じゃん!

3人で、とある溶岩の丘に登った時。。。眼下に寝そべっている人物を発見しました。みるとリュックやペットボトルなどが置いてあり、「おお、こんな所で野宿の練習とは、なかなか骨のある奴よのう」と、最初思ったのですが。。。。なんか寝ている体勢が不自然なのです。皆同じ風に思ったらしく、3人で顔を見合わせました。「ねぇ。。。あの人。。。ナニ?昼寝?」「ちょっと声かけてみようか」「もしもーし、大丈夫ですかぁ〜!!(×3)」

し〜ん。。。。。。。

うむ。返事がない。

その時、こ、こりはヤバイ!!と3人全員が悟りました。ハッキリ言って恐くてその人物にはそれ以上近づけなかったのですが、携帯電話で警察に連絡することに決定!! こんな樹海でも携帯電話が使えるというのは本当に有り難いというか何と言うか。。。。とにかく山梨県警に来てもらいました。

警察:「キミタチ、こんな所で何してたの?」
我々:「す、すみません。ちょっと樹海探検を。。。。
そりゃ疑われますわな、フツー(^^;)。ここから先の話はかなりエグいので聞いた部分しか知りませんが、結論から言うとその人物は自殺者の遺体でした。うつぶせになっていたので顔は見ませんでしたが、処理班の人がひっくり返した所によると、かなり熟成されていたとのことです。第一発見者のT橋君は、有無を言わさず現場検証とやらで、その熟成された遺体とツーショット写真を撮られたそうです。なんまいだぶ。

そんなこんなで、あまりの出来事に全員ショックを受け、その後はツーリングどころではありませんでした。かの自殺者は後に「腐乱苦(フランク)」と名付けられ、より親しみを込めて語られるようになったのですが、今でも思うのは、「偶然発見したと思ったけど、実は私たちってあの時、彼の魂に呼ばれてたんじゃないかなぁ。。。」ということなのです。きっと成仏したかったのでしょうね。合掌。

教訓:あまり安易に自殺の名所を探検してはいけない。


■ 青島でヤンキーに包囲された話 TOP

KSR-Iで九州を一周してた時の事です。宮崎県で美しい海に出会い、青島が気に入って一日中ブラブラしてました。すぐ近くの小高い丘のてっぺんに、青島を見渡せる展望台と駐車場があり、「オー、ナイスな場所デスネ。今晩はここで寝るデス。」とひそかに脳裏にインプットしておいたのでした。

細い道をクネクネ登った先にその駐車場があるのですが、途中、民家らしきものはありません。変な小屋が一件道の脇にあったくらいです。そこは本当に人気のない場所でしたので、誰にも邪魔されずグッスリ眠ることができる予定でした。。。。というわけで、日が暮れてから再びその丘を登って、駐車場にバイクを止め、シュラフをひろげてオヤスミナサ〜イ。ああ〜静かだ。。。

。。。と思っていたら突然!パラリラパラリラー、パパヤパー!といういかにもヤンキーでございといった感じのニギヤカな改造車が3台もやって来たのです!!もー、ライトはまぶしいわ、にーちゃんねーちゃんははしゃぎまくるわでウルサクてかないません。私はシュラフに潜り込み知らんぷりを決め込むことにしました。しかし奴等は「ねえねえ、あんな所にバイクがあるよ」「見てこいよ」などと興味まるだしでした。見たけりゃ勝手に見ろ!と思ったのですが。。。

何を思ったか、「きゃああああ〜!!髪の毛が出てるぅ!!」と黄色い声で叫んだヤンキー姉ちゃんがいました。何の事かと思ったら、どうも私の髪の毛がシュラフから出ているという事らしい。。。(^^;)わらわらとヤンキー達が集まってきてしまったので、たぬき寝入りを決め込むのも難しくなってしまいました。仕方なく、起き上がります。

「こんばんわ」「キャーッ、生きてるぅ!!」
「生きてますよ(失礼な)。寝てたんです。」「バイクで旅行してるんですかぁ」「そうですよ」。。。。てな感じでヤンキーのみんなとおしゃべりが始まりました。全員、頭がキンパツでどっからどー見ても不良少年・少女といった感じなのですが、話して見ると意外と明るくて気さくでした。「ところでみんなはなんでこんな夜中にこんな場所で集会開いてるんですか?」と聞いたところ、「そりゃあ。。。ねぇ」「知らないんですかぁ?」「ここ。。。。出るんですよぉ」「すぐ下に小屋があったでしょぉ。あそこ、坊さんの幽霊が出るんですよぉ。ウチら肝試しで来てるんですけどぉ」などと言うではありませんか!!(^^;)

「へえ、そうなんだ。私は幽霊なんか会いませんでしたけどね」と、爽やかに言い放った私。さぞかしカッコ良く聞こえたに違いない!?「恐くないなんてスゴイですねェー」「ウチら恐いからもう帰りますぅ」「頑張ってくださいねぇー!」と言い残して、ヤンキー全員が去りました。

暗闇の駐車場にひとり取り残された私。。。。。

今だから白状しますが、自分が寝ている場所が心霊スポットだったと聞いて、実はちびりそうなくらい恐かったです。結局何も出なかったから良かったんですけど。。。。

教訓:ヤンキーは怒らせなければ恐くないが、幽霊は怒らせなくても恐い。



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