バイクの壊し方全集

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■バイクはすっごい好きなんです■でも壊れちゃうんです
こんなに愛してるのに...■なぜ?どうして?わからない!

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■ 初めてバイクを壊した時 (買って4日目)

生まれて初めて買ったバイク、KSR-I。これがもう、むちゃくちゃ可愛かったんです。 いっつもピカピカに磨いておきたくて、シート下のスペースに布切れを常備する程の完璧さでした。 ところが買ってほんの3日目、急にスピードが出なくなりました。ほとんど新品同様のバイクなのに、なんで!? と訳が分からず真っ青に。その頃の友達にバイクの事を知っている人などいませんでした。

その時、いちばんエンジンとかに詳しそうだったのは...大学のすぐ近くの怪しい「クルマのチューンナップ屋」。 へろへろのKSRに乗っていきました。そこのお兄さん、「俺バイクはよく分からないんだけど...」と言いつつ、 「じゃあエンジンオイルをチェックしてみよう」などと、非常に専門的なことを言います。さすがプロ!助かった〜、と思いました。

お兄さんがエンジンのオイルキャップをあけて中を覗き込みます。「フム...なんだかエンジンオイルが足りないようだね」 なるほど〜!!オイルが足りなかったのか!さすが詳しい人は見るところが違うなぁ、と感心しつつ近所のオートバックスで エンジン用のオイルを買ってくることにしました。その時お兄さんが一言。「あ、君のバイクは2ストだから、たぶん2スト用のオイルを買って来た方がいいよ」 .....2スト? 2ストって何だ? そんな専門用語は分からないけれど、とりあえず2スト用のオイルというやつを買ってきました。

ところが、そのオイルをどこに入れたらいいか分かりません。「お兄さん、オイルってどこから入れるんですか?」と聞いたらすかさず、 エンジンの横にあるキャップを外してくれ、「オイルはここから入れるものだよ」。

どぼ、どぼ、どぼ....むむぅ、なるほど!オイル容量0.63リットルって書いてあるのに、なんだか1リットル缶が全部入ったぞ。やっぱりオイルが足りなかったんだな!! と確信した私は、その日、お兄さんに100回くらいお礼を言って、怪しいチューンナップ屋を去りました。

しかし翌日、KSRはウンともスンとも言わなくなってただの鉄の塊と化していました.....。買って4日目にして愛車を失った悲しみのあまり、ちびっこはマジ泣きした記憶があります(T_T)。

手に負えなくなって、販売店のメカニックに来てもらいました。事情を説明すると、ひとこと「オイル入れすぎです。しかも入れるオイルが間違ってます。そもそも2スト車のエンジンに入れてよいのはミッションオイルだけです」 え?何それ....? 2ストだから2ストオイルじゃないんですか?

しーん.....。

次に、プラグが外されました。おお〜!!見事に真っ黒ではありませんか。
「あ〜、カーボンがこびりついてますね。これじゃ火は飛びません」
ナニーッ!? なんじゃ、プラグだのカーボンだのって? そんな話聞いてないだー!!

するとメカニック氏、突然シートを開けて「ああ〜、これか!」と一言。 そこには、私の入れたバイク磨き用の布切れが....思いっきりエアクリーナの入り口を塞いでいるではありませんか。
あきれ顔のメカニック氏、 「これじゃ、カーボンが溜まるわけだ。お嬢さん、お願いだから今度からここにものを入れないで下さいね。。。。」

すべてのカラクリを悟ったのは、翌日メカの本を買ってきてひととおり読み終わってからでしたとさ♪


■ SL230を海に沈めた話 TOP

それからだいぶ経ちまして、KSRがSL230に変わり、バイクの仕組みもなんとなく分かってきたある日のことです。 某雑誌に九十九里浜を走る記事が出てまして、「うおお〜、カッコイイ!! 真似しよう!」と九十九里浜に向かいました。 同行をお願いしたのはサハラ砂漠を縦断した経験もあるカミカゼ氏。準備ばっちりです。

しかし、いざ海岸に着いてみると、この砂というやつが非っ常ぉぉ〜ぅに走りにくい!! あっという間にタイヤが埋まって全然前へ進みません。運良く走れてもズルズルすべります。こ、こんなにコワイものだったとは!? カミカゼのアドバイスは、「砂の上ではスピードを落とさずに、フロントに体重をかけないように」とのこと。 そしたら何となく走れるようにはなりましたがやっぱりコワイ。

気がついたらもう夕方でした。朝より走れる場所が狭くなったような気がします。こんなに激しく潮が満ちるものとは思っていませんでした。 右側は海、左側は高さ1mくらいの砂の壁です。( この壁が波で削られてできたものと気づいていれば....今走っている場所がじきに海水で満たされると気づけたハズだったのに。) すると左側の砂の壁が突然、長さ100mくらいのテトラポッドで覆われているセクションが出現しました。波までわずか数メートル。その間は逃げ場が全くありません。 カミカゼはそこを一気に通過したのですが、ちびっこはビビって手前で止まってしまいました。

「波が来ませんように!」と祈りながら発進。しかし、案の定というかちょうど真ん中で波につかまってしまいました。水かさはどんどん増え、走行不能です。 しかも波は引かず、第2弾、第3弾の波が次々とやってきます。タンクの上をかすめるほどの高さの波です。しかも波の力は非常に強く、タイヤは砂に埋まり、バイクはとっくの昔にエンスト。ちびっこの力ではびくともしません。いきなり絶体絶命のピンチ!! 自分が助かるために愛しのSL230を海に捨てるかという究極の選択が頭をよぎりました。カミカゼが波の中を助けに来てくれなければ、SL230どころか私もタダでは済まなかったでしょう。

2人で死にもの狂いで、波の中SL230を押します。どのくらい時間が経ったか、なんとかSL230を引き上げることができました。まず、エアクリーナをチェック。とんでもない事に、エアクリーナにはたぷたぷの海水が溜まっており、 中でフナムシが悠々と泳いでおりました。すぐに海水を抜きます。しかしやはり、なかなかエンジンはかかりません。しかしその場所とて決して安全な場所ではなく、波まであと2mくらいしかありません。ぐずぐずしていると再び波にのまれてしまいます。

奇跡的にエンジンがかかった瞬間を捉え、アイドリングを最大にしてバイクを押し、なんとか危険区域から脱出することができました。しかしその後のエンジンの調子の悪いこと。帰り道の高速道路で何度もエンストしそうになり恐怖です。 走っている間にも、スロットルやスイッチ類の動作が固くなり、バイクがどんどん海水に蝕まれてゆくのが分かります。 なんとか無事に東京まで走りきったSL230を、まずはガンガンに洗車し、それからモトショップ・ストラーダに連れていきました。

「海水に浸けただって!!? やってくれるなぁ!! 真水とは訳が違うんだよ!今すぐ手当てをしないと本当に駄目になっちゃうよ!」普段はやさしいナベさんですが、さすがに今回は険しい表情。 せっかく売ってくれたSL230をボロボロにしてしまって、申し訳ない限りでした。「今ここで出来る限りのことをするけれど、バイクの寿命は間違いなく短くなるから覚悟しておくようにね」 うわーん、愛しのSLよ、こんな瀕死の重傷にしちゃってごめんよぉぉぉ!!。。。最初に出てきたエンジンオイルは海水ですっかり白濁しており、まるでココアのようでした。エンジンの洗浄をすること6回、スイッチ類やキャブレタなどの部品の分解清掃、考え付く限りのネジや駆動部分に注油を行い、とにかくサビを食い止めます。 それから1週間、洗車と手当てを繰り返しました。

「連れてくるのがあと一週間遅かったら2度と動かなかったはず」といわれたSL230ですが、なかなかタフな奴で、今ではすっかり元気です。相変わらずリッター40キロも走ってくれるし、ボロくなったという感じはしません。 ふー、やれやれ。ひとまず安心です。海没事件のおかげで、いろいろと教訓が得られました。 あの日、ちびっこが学んだのは自分のテクニックの及ばないような場所に面白半分で行かないこと。そして自然の力をなめたらあかん!ということでした。今でもその教えは守っています(^_^;)。 バイクと海水は相性悪いです。いやホント。海に行くときは気をつけましょうね。


■ その他こんな事もしたような気が... TOP

別に壊したいと思って壊しているわけではないのですが、他にもいろいろありました。

●伊豆の林道でモタモタ走っていた時のこと。アクセル開けた瞬間に なぜかSL230が必殺技の月面宙返りをキメてくれました! 事もあろうにライト&メータあたりから地面に着地。。。。。 もちろん、ライトもメータもベキバキのぐっちゃんこです。 傍から見てたら面白かったでしょうが、その時思いっきり搭乗者であった私は ぽーんと林道へ投げ出され、近くの崖に頭からクラッシュしておりました(お約束)。 おかげで顔の半分が青アザ状態に。。。トホホ

ひしゃげたライトのまま、伊豆から東京まで戻るのはとてもかっちょ悪かったです。 ライト&メータ交換でSL230の修理代はしめて4万円。安いのか高いのか。。。(T_T)

●そんな心の傷も癒えたころ、SL230でお友達のワゴン車と一緒に 夜の中央高速道路を東京に向けて走っておりました。 最初、頑張って時速100キロくらいで走っておったのですが、 諏訪湖を超えたあたりから、どうしてもスピードがあがらなくなりました。 どんなにアクセル開けても、時速80キロ、60キロ、40キロ...と どんどんペースが落ちるのです。遂に、高速道路のど真ん中で SL230は全く進めなくなってしまいました。 ところが、エンジンは正常に回っているのです。バイクが走らないだけなんです。 さすがにお友達も気付いてくれて、ワゴン車を止めて見てくれました。
「....ちびっこ、これ、クラッチ焼き付いてるよ.....」
しょえええええええ!!そんな話は聞いてねー!!(じたばた)

もっと災難だったのはお友達の方で、もう既に2台のバイクが積んであった ワゴン車に、無理矢理SL230を押し込んで、無事に私を家まで送り届けてくれました。 (本当に有り難う御座いました)

ここまで読んで、SL230は欠陥車か!? と思われた方、誓って申しますが それは誤解です(^^;)。SLは素晴らしく丈夫なバイクなんです! このクラッチ焼き付き事件は、私がクラッチの仕組みもロクに知らずに クラッチを柔らかくする社外パーツをつけて喜んでいたために起こりました。 やはり、初心者には純正が一番ですね。

●まだありました。同じくSL230で四国ツーリングしていた時のこと。 それはツーリング最終日でした。のこり、香川県から徳島港までの 約80キロを走りきれば、無事にツーリングを終えることが出来るはずでした。 「さあ、ラストスパートだー!」と意気込んだ瞬間、 エンジン下部からがっちゃんという音がして。。。。
その後、2度とシフトが下がらなくなりました。(あいやー)

なんと、そのヘンな音を境にギアが5速と6速しか使えなくなってしまったのです。 てことは、「5速で発進するしかない!」そ、そんな!!あんまりだ。 いちおう一般道ですから途中には信号も坂道もいっぱいあるではありませんか。 なんとか香川〜徳島の80kmを全部5速発進で走りおおせましたが、かなり冷や汗でした。

ここまで読んで、「やっぱりSL230は欠陥車だ!」と確信された方、 誓って誓って、それは誤解です(^^;) フツーに乗ってれば絶対にこんな壊れ方しません。
本トラブルの原因は以前私がSL230を海に沈めてしまった事に由来するのでした。 (あの時一晩だけエンジン内部に塩水が混ざってしまったのですが、 その間にシフトスプリング等の小さな部品が僅かに脆くなってしまったのですね)

ああ〜、海没の悲劇は忘れた頃にやって来るから恐い。。。。(T_T)


この他にもバイクの壊し方には様々な方法があります。 みなさんも是非、いろいろと試してみて下さいね。(あれ?)



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