おはな日記(28) by Ryu

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Written;2003/12/18 Ryu---Malawi---

●Malawi<雑感>
《Cape Maclear~国境》
◇それにしても、出発するのがつらかった。このまま、しばらくここにいて、もっとダイビングをしたいとも思ったし、グレンやナホコさんとも、そして、おかやんとも、もっと一緒にいたかった。朝、ボクをダイビングに連れていってくれたきりで姿を消したグレン。別れが苦手の人でいつもこうだとナホコさんに言われ、「実はボクも」と心の中でつぶやく。「ボチボチ、行きます」と告げて最後に抱き合うと、泣き虫のナホコさんはボロボロに泣いて、「いやぁ、実はボクも」と、また、心の中でつぶやいて、格好悪いとサングラスでごまかした。

◇別れがあると「人恋しくなる」。「コータロー」さんと約束してて良かったと、100キロ離れた「Ntakataka」の彼の家を目指す。取れたてのマラウィ産の「コシヒカリ」はピカピカに茶碗のなかで光って、食うのが勿体無くおもえる程。さっきまでの泣くほど人恋しかった筈なのに、食い気が勝って平常心を取り戻す。

◇朝、目覚めるとやっぱり人恋しかった。ボク達よりも1日早く「ケープ・マクレア」を出発したゴリラで世界一周中のマサ君を追いかけることにする。時速30キロで進む彼は、ボク達のいる場所から約380キロほど離れたマラウィ湖畔の町「Nkhata Bay」に、予定では今日到着する筈。普段は、200キロほどしか走らないボク達に少し気合が入る。そして、夕方、町で宿を捜して走っていたゴリラとマサ君を捕まえる。中心から、少し離れた傾斜のきつい岩場に建つ宿 で2泊3日、シュノーケリングをして楽しんだ。

◇走っても走っても、マラウィ湖がついてくる。今日1日いっしょに走ろうと言ったのが、わずか50ccのゴリラには、「これは、かなり気の毒だったかな」と、思えるようなアップダウンが延々と続く湖畔沿いの山道を原付3台でひた走る。標高があがったのか、さっきまで遠くに見えていた雨雲が気がつくとすぐ目の前にやってきて、慌てて雨具を着込んでいると遠めにこっちを伺う子供たちに気がついた。

《空の色》
ボク達が出発する直前、グレンの船が修理から戻ってきた。大きな船外機を2つもつけたゴムボートで5人のダイバーと器材がのっても、まだ余裕のある大きさで、何よりそのスピードが凄い。エンジンを全開にすると船の頭を持ち上げて、水面を「グゴゴゴゴゴッ~」と走り出す。船酔いの激しいなおちゃんも、これにはさすがに酔う暇もない。

そして、その船が戻ってきた翌日、グレンが「サンセット・クルーズに行きませんか?」と誘ってくれた。クーラーボックスにビールとワイン、ジュースを詰めて夕方の4時頃、店を早めに閉めて5人で湖の沖にでた。

湖に浮かぶ島をぐるりとまわって、このあたりで良いかとエンジンを止め、あとは流れにまかせて船を浮かべた。ちょうど、夕日が対岸の山陰に落ちてく頃で、それをみながら、ビールを飲んだ。ワインも飲んだ。なおちゃんはジュースを飲んだ。

赤い夕日に黒い山影。オレンジ色の雲。空の色は青から群青色のグラデーションを持ち、湖もその空の色を真似て昼間の淡い青色から濃紺に変わる。溜め息どころか、息をとめて見入ってしまう。

船は浜に向かってゆっくりと進んだ。夕日が落ちきって、まだまだ、オレンジ色の雲が残る空をみながらゆっくり進んだ。そのうち、一番星が西の空に輝いて、「えっと、あの星の名前は?」と考えたが、どうでもよくなり、ふたたび空を眺めていた。

《インストラクターとダイブマスター》
「PADI」の教科書によると、ダイブマスター候補生を教えるインストラクターの互いの関係は、先生と生徒としての師弟関係以上に、それを超えた・・・。云々とある。要するになんでも話し合えるなかで、日本的に言うなら「阿吽の呼吸」が必要なのかとボクは勝手に理解した。

そして、ボクはその「阿吽の呼吸」をひたすら目指した。

結果はボクが評価するものじゃないから、目指したそれがうまくいったか、どうなのかは、いますぐ、ここには書けないが、最後はボクは、ナホコさんを目の前に「あんたは、ボクの親友やんか」と、言えるまでになっていた。

つぎ、逢えるのが楽しみです。また、逢いましょう。

また、逢いたいですね。ナホコさん。

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