宗一郎日記(13) by Naoko

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2003/04/22 Ghana(1) -- Bolgatanga
Reunion with Morikawasan 国境を越えてガーナに入ったとたん、英語が通じるようになりました。ガーナは ブルキナよりさらに経済的に発展しており、地方の村々でさえ建物の造りがだいぶ しっかりしたブロック建築です。道路はスペインもビックリの立派な補走路で、 白線が引いてあるのはもちろん、広~い路側帯にガードレール付き!驚きです! 「近年の政権安定化に伴い、各国から多くの援助を受けて急成長を 遂げたガーナ。。。」と、まさにガイドブックに書いてある通りの展開ではありませんか。

そして、ガーナ最北の街、Bolgatanga(ボルガタンガ)に到着。そろそろ、 スコール(夕立みたいな雨)が降るエリアに入ったため、キャンプは自粛して カトリック系の宿に泊まることにしました。(安くて清潔で言うことなし!) しかも、そこで森川さんと嬉しい再会!彼は人徳が滲み出るのか、いつも子供たち に囲まれて大人気なのでした。帰国日が迫る森川さんに2度目のお別れを言ったとき、 彼の首や手首には数え切れない程のアクセサリー(全部、子供たちからのプレゼント) でぐるぐる巻き状態。。。一方の私達は、「何かくれ」「これ買え」と言われることは あっても、「もらう」ことなどついぞ無し!この差は一体!?(人徳ですな)

ところでガーナというのは不思議な国で、近隣諸国と比べてもこれだけ発展して いるのに、物価が異様に安いのです。例えば宿代など、セネガルやマリではキャンプ させてもらうだけでも2人で10ドル相当、ボロボロの宿ですら20ドル~と、とても 高くて泊まれませんでしたが、ここガーナでは扇風機付きの清潔な部屋が2人で5ドル! 嬉しい反面、物価と豊かさが必ずしも一致しないのは一体何故なのだろう!? と複雑な気分です。
さらに、ガーナの通貨はCedi(セディ)といいますが、巷に流通している最高額紙幣 が5000c、なんとなく高そうに聞こえますが、実は5000cはドル換算するとたった 50セント程度にしかならないのです。Ryuがボルガタンガの銀行で何気なく200ドル 相当のT/Cを両替してもらった時、窓口から渡されたのは何と!厚さ25センチくらいの 札束の山!お金をしまうだけでバッグがパンパンになる有様で、嬉しいやら戸惑うやら。 (アクラなど首都圏では、1万セディ札、2万セディ札まで流通していますが、それに しても。。。。)

Peter in Bolgatanga

2003/04/22 Ghana(2) -- Tongo Hills / Tengzug Shirines
ボルガタンガからほんの25キロほど離れた所に世界遺産の候補として挙げられている Tongo Hills というエリアがあるので行ってきました。サバンナの中に突如として 岩山が現れ、その山の頂上にTengzugという集落があります。見渡す限りの巨岩が 折り重なるようにして、独特の美しい景観を作り出しているのですが、ここはその昔、 奴隷狩りに遭ったとき、地元の人々が身を潜める場所でも あったそうです。アシャンティの人々は誇り高く、最後までイギリスの支配に対して 抵抗したと言いますから、当時、かなりの犠牲者が出たに違いありません。

また、Tengzugの村の中でもひときわ小高い丘の中腹には、太古より聖地として 大切に祭られている場所があり、入村料を払うとガイド付きでそこまで案内して もらえます。巨大な岩と岩の間にあるわずかな空間に、数々の儀式の跡が残っており、 行くと祈祷師が(有料で)お祈りを捧げてくれるのです。そこには神が宿るとされ、 ガーナ国内だけでなく、はるか外国からも病気を治しにはるばるやってくる人が 跡を絶たないのだとか。実際、土地に敏感なRyuも何か見えない力を感じたらしく 「Tengzug一帯はかなりのパワースポット」と珍しくコメントする程だったので、 迷信とは言い切れないかも知れません。

Rocks in Tongo Hills

2003/04/23 Ghana(3) -- From Savanna to the Rain-forest
ガーナは一国の中に、サバンナ、湿地帯、熱帯雨林といった様々な顔を抱えています。 そのダイナミックな自然の変化は、今まで走ってきたどのエリアとも比べものに ならない程、衝撃的でした。

Bolgatanga→Tamale間のサバンナを走っている途中、彼方に雨雲が見えていました。 様子を見ながら走っていると、急に空気が冷たくなったので、「これはやられる!」 と観念してバイクを止め、雨ガッパを着てその場で待機。3分もしないうちに 集中豪雨並みの激しい雷雨!乾いたサバンナは見る間に小川が流れ、池のような 水溜まりがあちこちにできる有様です。どしゃぶりの中、かがんだまま(雷対策) 何もせずに1時間、巨大スコールが通り過ぎるのを待ったのでした。。。
雨が小降りになった時、あたり一面が緑色に染まっているのに気づいてビックリ。 なんと、この1時間の間、知らぬ間に次々と草の芽が出てきたのです!まるで 魔法を見ているようで、思わずポカーンとしてしまいました。。。

Tamale→Kintampoのルートは、私たちがガーナで走った中で一番変化に富んだ ルートでした。まずはサバンナから始まり、しばらくするとサバンナの地面がすべて やわらかい緑の草原で覆われ、初めてみる「優しいサバンナ」の姿にうっとり。 さらに進むと、White Volta / Black Volta の2つの大きな川を渡るのですが、 このエリアは広大な湿地帯で、まるで尾瀬を思わせるような美しい沼地があちこちに 点在していました。それがいつまでも続くのかと思ったら、いつのまにかあたりは 広大な森!ちょっと信じられなかったのですが、あっという間に熱帯雨林のエリア に突入してしまったのです。木々は日光を争うように、空へ空へと向かって伸び、 40m級の巨大な幹のはるかてっぺんに、やっと葉っぱが繁っています。(密林特有の 植物の知恵なのでしょう)そんなヘンテコな巨木があちこちに生えているのだから かなりの迫力です。アフリカというより、どこか東南アジアをイメージさせる ような感じ。。。。わずか200キロほどのルートに、これだけ多彩な自然が 凝縮されていたわけで、「予め分かってたら、もっと写真を撮ったのに!」と 先を急いでしまった事を悔やんだのでした。

Gentle Green Savanna Highway in the jungle Kintampo falls in Jungle

2003/04/23 Ghana(4) -- Accra first impression
というわけでガーナの首都Accra(アクラ)に着きました。わりと聞きなれない 名前の街ですが、実際に来てみるとものすごく(!)発展した都会で、思わず あたりをキョロキョロ。。。別に高層ビル群があるわけではないのですが、 全面ガラス張りのモダンな銀行や、大きくて立派なキリスト教会を見ると、 のんびりした町並みのなかに、いままでの西アフリカの都市には希薄だった 洗練された雰囲気を感じることができます。特に見所があるわけではないのですが、 居心地はかなりGOOD。今まで「西アフリカの玄関口はダカール」と言われて いましたが、これからは「アクラから西アフリカへ!」の時代になるかも知れません!?

ところでアクラのあまりの大都市ぶりに、着くなり道に迷ってしまいました。 当てずっぽうに走っていたら、いつのまにか海岸へ。。。。すると、なんだか 見覚えのある東洋人がてくてく歩いているではありませんか。なんとワガドゥグ、 ボルガタンガで何かと縁のあった森川さん、アクラで3度目の再会です! 「有り得ない展開ですね。。。」と彼。旅行をしていると、こんなウソみたいな 出会いが本当にあるから不思議!!(彼はその数時間後、日本に向けて離陸しました)

その晩、「何食べよう?」と困っていたら、宿の向かいの屋台でJollof Rice + Chicken を売っているのを発見。Jollof(ジョロフ)ご飯は、ガーナでずっとお世話になって いる美味な定食で、ゆで卵やサラダまで付いてたった7000c(約80セント)!幸せ。 また、近くで営業している中華料理屋もなかなかのもので、何を注文してもハズレなし の腕前です。大盛りチャーハンに肉料理、春巻き2コもついて25000c(約3ドル)という から、たいへんリーズナブル。宿代が安い分、美味しいものを食べよう!と 急にグルメになってしまい、またまた2人共デブになってきた気が。。。。

The city of Accra Delicious Jollof-rice

2003/04/23 Ghana(5) -- Accra Dame Police
毎日なにかと用事があるため、Ryuの「おはな」にタンデムでアクラの町中を 走り回っています。アクラの交通にも慣れてきたある日、私はデジカメ片手に 街の立派な建築を撮影しては感激していました。ンクルマサークルと呼ばれる いつも渋滞するサークルで、アクラのランドマークにもなっているGCB Tower という立派なビルを撮影した瞬間のこと。突然、そこで交通整理をしていた 見るからに人相の悪いポリスが「貴様!断りもなしに俺様の写真を撮ったな!」 とすごい剣幕で怒りだし、問答無用で私の手からデジカメをもぎとって 「没収だ!」とのこと。しかも、たまたまノーヘルだったもので「ヘルメットを 着用していないので逮捕だ!」と、無茶苦茶な事を言い出します。 (ちなみに地元の人はノーヘルでもお咎めなし)

モーリタニアの腐れポリス、ロッソ国境のヤクザを凌ぐ勢いの悪徳ポリス でしたが、旅行も半年目に入ると2人ともそれなりに度胸がすわるのでしょうか、 相手がどんな剣幕で凄んでこようとも、「面倒な事になったなぁ」 くらいのもので、なんだかのんきな気分です。慣れというのは恐ろしい。。。 私はポリスの目の前でデジカメ写真の消去を実演すると言って、デジカメを無事取り戻し。 Ryuに至っては「よぉし分かった!日本大使館に報告だ!名前とポリスIDを見せろ」 と逆ギレ。「ヘルメット未着用な奴は。。。」と、明らかにワイロ目的で 食い下がっていたポリスも、日本大使館と聞いた途端に急におとなしくなり、 「もういい、行け」と晴れて放免。

これ読んで「ガーナはやばい国なのか」と思った方、ご心配なく。今回の件は たまたま私がうっかりポリスのいる所でカメラを構えるというチョンボをおかして しまったため(軍人や警官の撮影は大抵禁じられています)、仕方ないことでした。 実際、ガーナの治安の良さはなかなかの素晴らしさです。北の国境からアクラに 着くまでの間、何度も検問中のポリスに会いましたが、どこも非常に紳士的!

思い返せば、腐れポリスが多かったのはモーリタニア、セネガル、ガンビアの3国で、 いずれも大西洋沿いだけに集中していました。(西欧旅行者の多いルートなため) 内陸に入ってからは、ポリス・役人に悩まされた事は一度もありません。 「西アフリカはワイロ天国だから大変だぞ」などと聞いて、アフリカはコワイと 思っている方、それは西海岸だけの本当に限られた地域の話ですし、仮に運悪く ポリスにイチャモンをつけられてもちゃんとパスポートや車両保険(現地で加入) などの切り札を持っていれば、すぐに放免してもらえます。ご心配なく! 実際、私たちもポリスにワイロ払わされた事は一度もありませ~ん!
※どうにも理不尽な腐れ方をしているのは、西アフリカ広しといえど、ロッソ国境 くらいのものです。ホント。

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