おはな日記(15) by Ryu

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Written;2003/05/01 Ryu---Mali---

●Mali <番外編>
◇とうとう、食欲がなくなってきた。アフリカの暑さにボク達が、いよいよ降参しはじめたのは、「Mali」の「Bamako」に入ってから。それまで現地食を「うまい、美味しい」と食べまくっていたボク達のお腹は、とうとう、ついに「日本食~っ」と叫び始め、「それが無理なら、せめて日本食の風味だけでも!!!」と暴れ始めた。

《まずは鰯だ!サーディン丼》
◇手軽にできる日本食なら、〈どんぶりものだなぁ〉と、夕食の献立を考えながら、買い物に出たボクは、いつもの雑貨屋の棚にしばらく売れ残って埃だらけになった「サーディン缶」を見て、〈サーディンか、そうか鰯か・・・〉、〈そう言えばサラリーマン時代、鰯屋って店を接待によく使ったなぁ〉、〈おやじ元気かなぁ〉、〈あの店の鰯丼。うまかったなぁ〉、〈ほな、今日は、こいつでサーディン丼でもしてみるか〉、〈うまいこといくやろか・・・〉と半信半疑で作ってみた。

=材料 2人分=
*玉ねぎ(中)1個・・・50CFA
*サーディン 1缶・・・325CFA
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*合計・・・375CFA(80円程度)

=作り方=
1)スライスした玉ねぎをサーディンの油で、色が変わり出すまで炒める。
2)そこに水1カップを加え、本だし、砂糖、醤油で甘辛く煮詰める。
3)玉ねぎと出汁がよく煮詰まったところにサーディンを投入!
4)大切なサーディン様が煮崩れしないように見張りながらさらに煮る。
5)丼にごはんをとって、出来上がった4)を出し汁と共にたんまりかけて食う。
6)「鰯屋のおやじ~、元気かぁ!!! うまいぞ!!!」と叫ぶ。

《調子にのって他人丼》
◇サーディン丼で気をよくしたボクは、次の日、いつもの市場に出かけた。市場といってもアーケードがあって、ショーケースのなかにきれいに陳列された日本のそれとは違って、それはそう、ここはアフリカ。派手な布地を体に巻き付けたおばちゃんが、辛うじて日陰ができる掘っ建て小屋に、野菜に果物、米に小麦にパスタなんかをざっと広げただけのもの。そんな、小屋とおばちゃんがずらっと並んだその中に、その日つぶした、つぶしたての牛肉を売る「お肉屋さん」があった。蝿が集って少し〈ギョッ〉と思ったが、ごつい包丁でドカッ、ベシッとスライスしたその内側は新鮮そのもの。〈神は我に味方した〉、〈今日はどんぶりパート2〉、〈牛丼じゃ、芸がないから、他人丼じゃ~〉と作ってみた。

マリの肉屋 Mali no yaoya

=材料 2人分=
*玉ねぎ(大)1個・・・50CFA
*たまご 3個・・・180CFA
*牛肉 200g・・・240CFA
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*合計・・・470CFA(100円程度)

=作り方=
1)まずは、その牛肉をよく洗う。蝿のことを忘れるくらいゴシゴシ洗う。
2)スライスした玉ねぎとスライスした牛肉を塩・胡椒で炒める。
3)そこに水1.5カップを加え、本だし、砂糖、醤油で甘辛く煮込む。
4)玉ねぎがトロトロになってきたら、「ときたまご」を加えてる。
5)たまごが固まる直前に火からおろし、あとは余熱に調理をまかす。
6)丼にごはんをとって、出来上がった5)を出し汁と共にたんまりかけて食う。
7)「吉野屋を超えたぞ~! 安いぞ!うまいぞ!」と叫ぶ。

《よくわからん魚のテリヤキ・ハンバーグ》
ガンビアの雑魚
◇じつはこの料理、ガンビアでみんなで釣りすぎた、名前もわからない魚の処理に困っていたところ、〈このまま、捨てると供養にならん〉、〈それを釣り極道と言うんじゃ〉と、ボクがガキの頃、バケツいっぱいに釣ってかえった小鮒を見たおばあちゃんの言葉が頭をかすめて、「ごめんなさい、もうしません」と作った料理。いっしょに居たケンちゃん、ユーコさんからは、「るんるん、凝るね~」と誉められてはいたものの、ボクは未だにおばあちゃんに頭が上がらないだけなんです。

=材料 4人分=
*釣りえさの魚3尾・・・60CFA
*そのえさで釣れた魚いっぱい・・・0CFA
*玉ねぎ(大)1個・・・50CFA
*にんにく1片・・・5CFA
*牛乳100cc・・・50CFA
*バター1片・・・50CFA
*たまご1個・・・60CFA
*食べ残しのカチカチのパン・・・0CFA
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*合計・・・275CFA(60円程度)

=作り方=
1)釣りすぎて困った小魚(10尾)を3枚におろし、小骨をとり包丁で叩いてミンチにする。
2)微塵切りにした玉ねぎとにんにくをバターでトロトロになるまで炒める。
3)1)に、冷ました2)、砕いたパン、たまご、牛乳を加えてグニュグニュとこねる。
4)3)が糸を引くくらいになったら、ハンバーグの形に整える。
5)フライパンに油をひき、4)を両面に少し焦げ目がつく程度に焼く。
6)焦げ目がついたところで、水を加え蒸し焼きにする。
7)火が通った頃を見計らって、砂糖と醤油を加えテリヤキ風に煮詰める。
8)ハンバーグを皿にとり、フライパンに溜まったソースをかけて食う。
9)「おばあちゃん、美味しいからこれで勘弁して~」と誰に気づかれないように心の中で叫ぶ。

《気がつけばタンドリー風カレー》
◇その日のボクは、無性にクリームシチューが食べたかった。それも、日本食風味のものが食べたいとおもった。そして、ボクは、あそこならある筈と「Bamako」にあるスーパー急いだ。でも、やはりここはアフリカ、グリコもハウスもない。そう「ルー」は自分で作るしかないのだ。しかたなく、小麦粉、バター、牛乳を買ってボクはその店を出た。そして、キャンプ場に戻り料理を始めた。「あれ?おい、この牛乳腐ってんちゃうか?なんか酸っぱいでぇ」。ボクは彼女に問い掛けた。「えーっ、なんでー、これってヨーグルトじゃん。だって、そう書いてあるじゃん」。酸っぱいシチューはシチューじゃない。「どないすんねん!?」

=材料 2人分=
*玉ねぎ(大)2個・・・100CFA
*にんにく1片・・・5CFA
*じゃがいも(大)1個・・・100CFA
*牛肉200g・・・240CFA
*小麦粉・・・10CFA
*バター1片・・・100CFA
*ヨーグルト100cc・・・250CFA
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*合計・・・805CFA(170円程度)

=作り方=
1)フライパンにバターを溶かして小麦粉(大さじ3~4杯)を加え、まだこの時は牛乳と思っているヨーグルトを少しづつ加えながら、とろみがでるまで加熱を続ける。
2)「おいおい、ヨーグルトやんけ、どーすんねん」。「しゃーない、カレー粉入れたれ」と1)に取りあえず入れてみる。
3)塩・胡椒でサイコロに切った牛肉を炒め、その油で玉ねぎがトロトロになるまで炒める。
4)水400ccに好みの野菜を入れ、ブイヨンを加えてグツグツ煮る。
5)4)の野菜が煮えてきたら、先に調理した牛肉、玉ねぎを加え、あくを取りながらさらに煮る。
6)「大丈夫かなぁ」と2)の「ルー」を取りあえず入れてみる。
7)皿にごはんを盛り、「ほんま、大丈夫かいな」と出来あがったカレーをかけて食う。
8) 「美味しいじゃん。これってタンドリー風じゃん」とちびっこに一応誉めてもらう。

《嗚呼、これが念願のクリームシチュー》
sityuu in Burkina
◇また、その次の日ボクは、どうしても、何がなんでもクリームシチューが食べたかった。それも、やっぱり、日本食風味のものが食べたいとおもった。そして、ボクは、もしかすると昨日行った隣のスーパーならと、そこに急いだ。でも、ここも当然、アフリカ。グリコもハウスもある筈がない。そう「ルー」は自分で作るしかないのだ。ボクは今度こそはと、なんども見直し〈正真正銘、これが牛乳のなかの牛乳だ〉を買って店を出た。

注)材料、作り方は〈気がつけばタンドリー風カレー〉のヨーグルトの部分を牛乳と呼び変えてください。ただし、カレー粉を入れてしまうと〈何回やってもカレーシチュー〉になってしまい、いつまでたっても、〈嗚呼、これが念願のクリームシチュー〉を食べられません。

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